魚には食材になるものだけでもさまざまな種類があり、含まれる栄養素の種類や量も違っています。近年、花粉症などのアレルギー症状やアトピー性皮膚炎の緩和には和食メニューを増やすことが良いとされていますが、その中でも魚を摂取することの効能がクローズアップされています。魚から得られる栄養の中で最も注目され、その効能が期待されているのが、定番人気を誇る成分DHA・EPA、アルファ・リノレン酸を含む、オメガ3系脂肪酸です。血液サラサラ効果や、記憶力向上、認知症の予防や改善に役立つとされるDHAとEPAに寄せられる期待は言うまでもなく、アレルギー症状の緩和やアンチエイジング対策、ダイエットにも役立つと言われるアルファ・リノレン酸など、どれを取っても喜ばしい効能が謳われているオメガ3系脂肪酸は、最近になって、うつ病や不眠など精神的不調の予防にも効果を発揮することが解明され、さらに熱い視線を浴びています。オメガ3系脂肪酸のサプリメントも注目されていますが、毎日の食事から摂ることで、他の栄養素もバランスよく摂取できることから、積極的な魚メニューの導入が推奨されています。「小さな体に栄養凝縮!仕入れて試したいししゃもの意外な食べ方4選」もためになりますね。
オメガ3系脂肪酸が多く含まれている種類は、やはり青魚が多めとなりますが、食材となるほとんどの魚からは、賞味することによって良質のたんぱく質を、効率よく身体に取り入れられるようになっています。たんぱく質の中でも「良質」と冠せられるのは、必須アミノ酸をバランスよく含んでいるタイプのたんぱく質です。食事によって外から取り入れたり体内で合成されるアミノ酸は、人体を構成するたんぱく質の元になるために重要な存在です。アミノ酸はたんぱく質の形で食事によって取り込まれ、アミノ酸に分解されて、人体に必要なたんぱく質を構築するといった流れになりますが、20種類あるアミノ酸のうち9種類は、身体にとって必須でありながら体内で合成することが不可能なため、食事で摂取する必要があります。まさに「必須」ということでその9種類は必須アミノ酸と呼ばれています。必須アミノ酸は9種類すべてがバランス良く摂取されなければ、ほかの種類も本領を発揮しきれないと言われることから、9種すべてを含むたんぱく質が「良質のたんぱく質」とされます。魚こそ、そのたんぱく質の宝庫ということで、練り物など加工食品の形になっていても、その恩恵に浴することができるとされています。
必須アミノ酸の一つトリプトファンは、オメガ3系脂肪酸に含まれるDHAやEPAと共に、うつ病や不眠症の改善のカギを握ると言われる、脳内の神経伝達物質セロトニンを増やすことに重要な役割を果たします。トリプトファンは、セロトニン生成のための材料となるアミノ酸と言われ、ビタミンB6の助けを得てセロトニンを増やしていきます。セロトニンは人が幸福を感じる脳内の働きに大きく関わっていることから、幸せホルモンと呼ばれることもあり、うつや不眠に悩む人から、強く切望される脳内物質です。魚は、種類によってはトリプトファンもビタミンB6も豊富に含み、さらにオメガ3系脂肪酸の働きによって、腸内善玉菌が増加して腸内環境が整えられることで、セロトニン生成の効率がさらにアップされます。脳内で働くセロトニンですが、その90パーセント以上は腸内で生成されることから、必須アミノ酸をバランスよく摂取でき、オメガ3系脂肪酸との相乗効果を狙える魚を日常的に摂取するメリットの大きさは、想像以上のものがあると言えます。
美味しい魚を毎日賞味することは、まさに良いこと尽くめといった印象ですが、人によっては、あまり食べ過ぎないほうが良いとされる魚も存在します。その多くが、水銀を多く含むタイプで、スーパーマーケット等でも販売されている種類では、切り身で人気のメカジキや、アマダイ、サワラにも多めに含まれると言います。輸入物の養殖ウナギには、水銀のほか、日本では禁止されている殺菌剤など害のある物質も含まれていることがありますので注意が必要です。クロマグロも水銀が多めと言われ、刺身の食べ過ぎには要注意と言われます。一日一食、一般的な分量を摂取するぶんには問題はないと言われますが、妊娠中の人は用心するに越したことはなく、特に輸入物は、食材全般で気を付けておいたほうが無難です。魚には他に、今後海洋汚染によるマイクロプラスチックの蓄積による害が懸念されています。人の健康に役立ってくれる魚のためにも、環境問題の解決は人類全体の課題と言えます。
業務用の魚を仕入れるにあたっては、健康効果のみならず、さまざまなリスクにも注意を払うに越したことはない時代となりました。環境汚染がもたらす害はもとより、アレルギーを発症する人が増えたことで、かつて以上にヒスタミン中毒などに注意する必要性が高まっています。冷凍冷蔵技術を過信することなく、信頼のおける卸ショップから、質の良さはもちろん、鮮度が高く、安心安全な魚を選ぶことが大事です。